除草剤散布に適した時期 の続きです。
前回は、粒剤と液剤の組み合わせでしたが、今回は液剤のみで行う場合の散布適期についてです。
粒剤が使用できず、液剤だけで除草する場合の参考にしてください。
また、刈払いに適さない時期や、多年生雑草の除草方法について記事にしていますので、こちらも読んでみてください。
液剤の除草剤は、雑草に散布すると、葉や茎から浸透し、細胞を通って、根等の地下部まで届きます。
液剤は、希釈して使用したり、原液のまま散布したりしますが、どちらの場合も、除草剤に記載されている希釈率を守るようにしてください。
製品ラベルに記載されているはずです。
希釈する場合、濃い方が効きそうな気がして濃い目に作っていませんか?
濃い目の除草剤を散布しても、肝心な根の部分まで十分届かない可能性があるんです。
除草剤の成分は、ある程度の時間をかけて根まで届けられますが、極端な例では、根まで届く前に届ける器官である地上部が枯れてしまうことがあります。
これでは、地下部が元気なままですから、時間の経過とともに雑草が復活してきてしまいます。
また、じゃばじゃばと浴びせるようにかける場合もあると思います。
これは、雑草が水分を吸収できる能力には限界がありますので、吸収できなかった分は、だた捨てていることと同じです。
水を運ぶのも大変ですし、コストの無駄になりますので、おすすめしません。
逆に、もったいないからと言って、薄く作るのも効率的ではありません。
適正な希釈率でないと、そもそも雑草が枯れないからです。
枯れたとしても、一部分だけとか、中途半端に茶色くなって、そのままとか、見た目があまり良くない状態になりますし、枯れません。
薄く作るのであれば、少し濃い目の方が、まだ良いと思います。
濃くてもダメ、薄くてもダメ、かけすぎてもダメ です。
用法、用量を守って散布することで、初めて効果が発揮されます。
液剤の除草剤のおすすめの散布方法です。
1回目の散布
年最初の散布は、初夏~梅雨入り前の5月下旬~6月下旬頃に、液剤を散布します。
できるだけ春の草が伸びきった頃を狙って散布します。
成長している雑草に散布することで、除草剤を吸収して地下部に届けやすくなります。
梅雨入り前に、退治してしまいましょう。
前年の除草状況にもよりますが、冬に入る前に、ある程度の雑草を除草できていれば写真(5月下旬)のような感じで雑草が生えています。
前年の除草ができていないと、残った雑草が枯れた状態で蓄積されていたり、立ったまま枯れていたりします。
前回の繰り返しになりますが。
液剤の除草剤は、散布後に降雨があったり、散布時に雨や露で濡れていると効果が弱まりますので、できるだけ天気の良い日を狙って散布します。
寒い日よりも暖かい日に散布した方が効果があります。
ラウンドアップマックスロードは、散布してから1時間後に降雨があっても、効果があまり弱まりませんので、おすすめです。
2回目の散布
2回目は、夏に散布します。
暑くて大変な時期ではありますが、8月上旬~9月上旬頃が良いと思います。
この頃は、栄養を地下部にどんどんと蓄える為に、地上部が成長しピークを迎える時期です。
地下部に栄養を送る量が増してくる前のタイミングを狙います。
ワンポイントです。
雑草の背丈が伸びていますので、除草剤を散布した後は、踏み倒しておくと枯れた時の景観が良くなります。
発電所ですと、パネル前は是非、踏み倒しておいてください。
これは、管理させてもらっている発電所オーナーの方に教えていただいた方法です。
発電量対策にもなりますので、おすすめです。
3回目の散布(状況によって散布)
10月~11月頃(秋)の時期に、液剤の除草剤を散布します。
できるだけ晴れの日の午前中を狙って散布します。
晴れた日の方が除草効果が高くなります。
写真のように花が咲いてから、少し枯れてきたかな?、雑草の元気が落ちてきたな? と思う頃が良いタイミングです。
この時期は、成長した地上部が精一杯頑張って、地下部に栄養を送り込む時です。
そこを狙って、地下部を弱らせて、来春の芽をつぶします。
ただ、前回の粒剤散布と同様に、初夏の散布 と 夏の散布 で、かなり弱っていると思いますので、背丈もあまりない場合は、この時期の散布は無理に行う必要はないと思います。
農耕地用と非農耕地用の除草剤
液剤は、茎葉に浸透して、雑草を枯らします。
根まで枯らすタイプと、根は枯らさずに残すタイプがあります。
斜面等は根を枯らさないタイプが良いと思いますが、通常は根まで枯らすタイプがおすすめです。
そして、農耕地用 と 非農耕地用 があります。
散布場所や近隣に、田畑、住宅地、河川などがある場合は、できるだけ農耕地用を使用した方が他植物等への影響もなく良いと思います。
非農耕地用は農薬ではありませんので、田畑はもちろん、近隣住宅に植えてあるような人が栽培している植物の管理に使用してはいけない とされています。
直接散布する訳ではないと思いますが、近隣環境を確認して、散布して良いかどうか迷うような場合は、農耕地用を使用することをおすすめします。
除草剤は効率的ではありますが、リスクもありますので、用法、用量を守って使用していきましょう。
次回は、刈払いと除草剤(液剤)で除草する場合の方法について記事にします。
2022年度の長野県・近隣県の除草管理、巡回点検、受付中です。
よろしくお願いいたしますm(_ _)m