最近、住宅の太陽光システムの話題が多いので、産業用だけでなく住宅用も定期点検が必要な理由をまとめました。
野立て太陽光などを設置されている方はご存じかと思いますが、住宅用のみを設置されている方は、知らない方が多いのではないかと思います。
自宅の屋根などに太陽光パネル(太陽光システム)を設置されている方は、是非読んでみてください。
太陽光パネル(太陽光システム、パワーコンディショナーも含みます)は、メンテナンスフリーではありませんので、定期的に点検が必要になります。
機械ものですので、点検しないと不具合箇所や故障箇所があっても発見できないため、危ないです。
また、発電量も低下します。
台風でパネルが飛んでしまうなどもありますが、ここでは火災に繋がる代表的な事例を記事にしています。
発火する場所で多いのは、以下の2つです。
・パネル(モジュール)から発火
・ケーブルから発火
パネル(モジュール)から発火
太陽光パネルの内部配線の接続部分が発熱して発火します。
原因は、「経年劣化」や「製品を作る過程で起こる、はんだ強度不足」です。
使用年数が、7年以上経過した太陽光システムで起こる確率が高いようです。
太陽光パネルは内部に異常が発生すると、パネル内の電路を迂回させるバイパス回路(ジャンクション)が搭載されています。
パネル内の一部が故障して、バイパス回路を迂回した状態で修理せずに故障したままの状態だと、バイパス回路が耐えられなくなって断線します。
バイパス回路の耐久性能を超過してしまうことで起こります。
バイパス回路が壊れると、該当の太陽光システムの回路を保護する機能が無くなりますので、もともと故障していた回路が使われる可能性があります。
そうなると、故障していた配線の接続部分が断線したり、異常発熱を起こします。
その結果、過電圧の状態になり異常発熱を起こし、配線のシールド(保護材)から発火します。
バイパス回路断線→配線接続部断線→システム全体の電圧が加わることで過電圧→異常発熱→配線接続部シールド材が発火 という流れです。
ケーブルから発火
ケーブル発火の原因は、「施工不良による異常発熱」や「小動物による噛害(ごうがい)」です。
ケーブルが部材に挟まれたまま施工してしまい、その部分に抵抗がかかって発熱。
規格外のケーブルを使用。
規格内でも、無理に中継や延長して接続。
ネズミなどの小動物がケーブルを噛んで、ケーブル被覆を破り、短絡(ショート)して火花により引火。
コネクタが緩んでいて抵抗がかかり、発火した事例もあるようです。
このような原因で発火します。
太陽光パネルの屋根への設置方法により、発火しやすい事例も
住宅屋根に設置する形態は4種類あります。
- 屋根置き型
- 鋼板等敷設型
- 鋼板等付帯型
- 鋼板等なし型
この内、火災が起きた事例が多いのは、「鋼板等なし型」です。
他の3つの形態は、すべて、太陽光パネル(システム)と屋根との間に、不燃材料が施工されています。
屋根置き型の場合は、瓦、スレート、金属屋根などです。
鋼板等敷設型、鋼板等付帯型は、太陽光パネルと屋根材の間に「鋼板等の不燃材料」が施工されています。
不燃材料が中間にあることで、太陽光システムが発火した場合でも、屋根に燃え移る可能性が低下します。
住宅用太陽光システムも定期点検が義務付けられています
住宅用太陽光システムは、2017年4月1日の改正FIT法で点検が義務付けられました。
そして、発火の原因となる「パネル故障」や「ケーブル不具合」は、専門の点検業者でないと発見できないものです。
ご自身で点検を行うことはリスクも伴いますので、やめておくことが賢明です。
点検を行っていない方は、是非、施工業者や工務店などに確認してみてください。
事故の事例については、こちらの消費者庁のサイトに詳しい情報がありますので、あわせてご確認ください。
https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/report/report_012/
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よろしくお願いいたしますm(_ _)m